龍の如き気韻を纏う名墨|杉並区で細川コレクション縁の古墨を十五万円で買取る真価の審美眼
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| 買取価格 | 15万円 |
東京都杉並区。この地を歩けば、中央線の線路沿いに広がる荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺といった活気ある街並みから、少し足を踏み入れるだけで、時が止まったかのような静謐な邸宅街が顔を覗かせます。浜田山、永福、久我山、そして西荻窪や上井草など、こうした杉並の各地域には、古くから文化を愛し、書道具や骨董を生活の彩りとして大切に守ってこられた方々が多く住まわれています。今回、私、田附時文が訪れたのは、そんな杉並区のとあるお宅でした。長年、書道を嗜まれていた先代の遺品整理ということでお声がけをいただきましたが、そこで私の目を一瞬で奪ったのが、桐箱の奥に鎮座していた一挺の墨でした。それは、名高い細川コレクションとの縁を物語る、圧倒的な気品を放つ「龍の墨」でした。
墨という道具は、書を嗜まない方から見れば、単なる黒い塊に過ぎないかもしれません。しかし、私たちえびす屋が四十年にわたって見つめてきたのは、その黒の中に潜む無限の彩りと、歴史の重層的な奥行きです。今回、杉並区のお客様から託していただいたこの龍の墨は、単なる古墨という言葉では片付けられない、工芸品としての極致を体現していました。墨の表面に施された龍の彫刻は、まるで今にも雲を割り、天へと昇らんとするほどの生命力に満ちており、鱗の一枚一枚、髭のうねり一つをとっても、当時の職人が一分の妥協もなく魂を削り出したことが伝わってきます。お客様は、「他の業者さんにも見てもらったのですが、古い墨ですね、というだけで、この価値を分かっていただけなくて……」と、不安な面持ちで語っておられました。
事実、一般的なリサイクル業者であれば、この墨を「一挺いくら」という雑な計算で、数千円から、せいぜい一万円程度の「古物」として扱ってしまうのが関の山でしょう。しかし、えびす屋は違います。私は、この墨が纏う空気感から、それが細川家に伝わった名品の系譜にあること、そして何より「墨としての質」が、現代のそれとは比較にならないほど卓越していることを瞬時に確信しました。提示させていただいた買取金額は、十五万円。お客様は、その数字に一瞬言葉を失われましたが、私がこの墨の「煤(すす)」と「膠(にかわ)」の調和、そして細川コレクションに関連する歴史的背景を丁寧に紐解いていくにつれ、深い納得と安堵の表情を見せてくださいました。
なぜ、この墨に十五万円という破格の価値が付くのか。それを語るには、墨の命とも言える素材の真実に触れなければなりません。墨の価値を決定づけるのは、煤の細かさと、それを固める膠の質、それも長年の歳月を経て水分が抜け、極限まで熟成された「膠の枯れ」にあります。今回、杉並区で出会ったこの龍の墨は、製造から数十年、あるいは百年近い時を越えて、墨の中の膠が極限まで安定していました。新品の墨には独特の粘りがありますが、良質な古墨は、年月を経て膠の分子が落ち着き、磨った際の発色が驚くほど鮮やかになります。その「墨色」は、ただの黒ではありません。奥底に青みや紫みを帯び、紙に吸い込まれるような深みを持つのです。
さらに、煤に関しても、現在では入手が極めて困難な上質な菜種油の油煙煤が使われており、その粒子の一粒一粒が、光を乱反射させることなく、静謐な深みを生み出しています。細川家のような大名家に連なるコレクションであれば、当時、国を挙げて最高級の素材と最高の職人が集められ、作られたことは想像に難くありません。そのような歴史の重みを無視して、ただの古い道具として査定することなど、えびす屋の誇りが許しませんでした。こうした中国美術にも通ずる高い芸術性こそが、私たちが正当に評価したい真の価値なのです。
杉並区(荻窪、阿佐ヶ谷、高円寺、浜田山、永福、久我山、西荻窪、上井草など)、中野区、渋谷区、目黒区、大田区、三鷹市、狛江市、調布市、武蔵野市、練馬区といった、この辺り一帯にお住まいの皆様。私たちは、世田谷区を中心に、こうした地域全般で書道具の出張買取を長年行っております。その辺り全般に強いと自負しているのは、単に多くの現場を回っているからではありません。それぞれの土地に根付く文化、そしてそこにあるべき品物の価値を、誰よりも深く理解しているからです。その辺り全般で買取している、その辺りならえびす屋に任せてと仰っていただけるよう、一挺の墨、一枚の紙に対しても、私たちは全力で向き合います。
書道具関係の買取はえびす屋にお任せください。創業40年の蓄積は、単なる情報の積み上げではなく、五感を研ぎ澄ませて「素材の真実」を見分ける力となっています。墨一つとっても、それが油煙墨なのか松煙墨なのか、膠の状態はどうなっているのか、そして彫られた文様や箱書きから読み取れる時代背景は何なのか。それらをすべて解き明かして初めて、適正な価格が導き出されます。今回、十五万円で買取させていただいた龍の墨は、まさにそうした精緻な鑑定の結晶です。私たちは美術商組合の正会員として、市場の最新の動向を把握しつつ、古き良きものの本質を絶対に見落としません。
たとえ汚れていても、欠けていても、その中に宿る職人の魂や、使われてきた歴史は消えません。世田谷区、杉並区、中野区、渋谷区、目黒区、大田区、三鷹市、狛江市、調布市。この辺り一帯で、古い硯や墨、使い道のわからない印材などの整理をお考えであれば、ぜひ一度えびす屋にご相談ください。私たちは、その辺り全般で、どこの業者よりも誠実に、そしてどこの業者よりも高く、お客様の宝物を評価させていただきます。その辺りならえびす屋に任せてと言っていただける最高の鑑定を、杉並区の皆様にもお届けいたします。