墨
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墨について
墨にも中国で製造された唐墨と日本製の和墨が存在します。その歴史は古く中国漢の時代(紀元前206~220年) にも遡ります。日本では『日本書紀』に「推古天皇十八年三月 高麗王 僧曇徴を貢上す。曇徴よく紙墨をつくる」 とあり、実際は推古天皇の時代より少し前に、墨が日本に伝来したと考えられます。その時代の都、奈良県では 現在でも良質の墨が生産されています。製造されてから長い年月を経た品質の良いものは「古墨」と呼ばれ、そ の希少性と品質から珍重されています。一般的に骨董品や美術品として価値の高い墨は100年以上前のもの、和 墨は江戸時代までに作られたもの、唐墨は清時代までに作られたものを古墨と称します。ですのでその当時の墨 が現存するのは非常にレアと言えるでしょう。墨は研磨されることによって、生命を発揮し、擦り減り、無くなっ てしまうもの。その儚さに美とロマンを感じますよね。古墨の現存数は当然ですが年々減少する為、その価値は 今後も増すでしょう。
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